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アラビアンコースト

アラジン 2017/7/15S アラジン的見どころ第3回~北村アラジン~

最年少アラジンが沼すぎてヤバイ2017夏。

 

 

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デビューから半年が経とうとしている最年少アラジンくん。
登板週は今週で10週目なのですが、もう何回観たかな…えっと…

 

 

THE・沼(完)

 

 

 

 

◎アラジン的見どころ第3回~北村アラジン~

遅れてきたカリスマ、きたむアラジンくんの魅力について。

 

『アラジン』というミュージカルそのものの話を最初にすると、何も考えずに観るのに最適な演目であることは間違いないし、楽しいし、笑えるし、とにかくジーニーはスゴイ。
だけど、私がこんなにハマった理由はアラジンの人間性と物語性だった。アラジンは本当に難しい役のように思える。それは彼がディズニーミュージカルの主人公としてはある種異質で一見自分の力で何かを成し遂げていないように思えるからなのかもしれない。

彼は変わりたいから変わろうという決意をした。そのときに偶然(必然かもしれない)に魔法のランプを手に入れた。ジーニーの力で王子になった。ジーニーがいないと何もできないのはわかっていたから彼を手放せなかった。その結果自分の未熟さのせいでピンチに陥った。だけど「何もできない未熟な自分」を受け入れることでジャファーにお前も同じ立場だと自覚させ、窮地を乗り越えた。

 

つまりジーニーが「天才だ」と言うように一見機転だけでピンチを切り抜いたように見えるのだが、実際は未熟な自分を認めることで嘘を重ねて生きてきた人生から解放され、ありのままの自分を手に入れるという意味でアラジンは初めて自由を獲得できたのだと思う。もちろん彼のスマートさがなければ思いつかない方法ではあるが、それができたのはアラジンが自分を知ったからであり、アラジンの自己認知の物語としての側面もある。

というわけでいわゆる目に見えたカッコイイ活躍がアラジンにはないため、フィナーレに至るまでの内面の葛藤やダイヤの原石といわれるだけのポテンシャルの高さを演技で表現するのってすごく難しいことではないかと思う。まあ、実際にどうかはともかくとして。

 

そして満を持して爆誕した最年少アラジンくん。

アラジンの中でも1、2位を争うチャラ男で、感覚的に生きている。もちろん完璧な人間なんかじゃないし、どちらかといえば失敗することも多いかもしれない。
だけど、この人なら何とかしてくれるような気がする。やらかすことがあっても許されてしまう気がする。土壇場で発揮する逞しさと賢さがある。それに加えて、最大の武器は人懐こくて軽いノリと絆されてしまいそうになる柔らかい笑顔。


アラジンという青年のよいところも悪いところもすべてひっくるめて彼の魅力で、そこに周りの人たちがついていきたくなるのだとすごく納得できるキャラクター。


あざとくてしたたかな面もあるのに憎めない愛されキャラで、普段の明るさゆえに内面にある葛藤や不安といった繊細な部分とのギャップも際立つし、ハマり役だと思うんです!!!

 

フィルターだって?


細かいことはいいんだよ!(by松島カシーム)

 

 

 

 ①イケメンである。


身もふたもないが、イケメンである。

 

だってアグラバー行くたびに隣の席とか後ろの席の人が「アラジンかっこよくない?」ってよく言ってるんだよね。
何度振り返って「せやろ?」って言おうと思ったことか。

アラジン役者は四季が誇るイケメン集団だと私は勝手に思っているが、その中で北村アラジンは一番アラジンのビジュアルにピッタリハマると思うんですよね。
アラジン愛に関しては他ジーニーの追随を許さない阿久津ジーニーが「イケメン!」と褒めるのは今のところ北村アラジンだけであることからもこの事実は明白ではないだろうか。そこは好みの問題かもしれない。

 

私は阿久津ジーニーと同担です!

 


②とにかくかっこいいサムバディ
語ると長くなるので手短に済ませます()

まずジーニーに「これできる?」と言われたときの少し得意げにヘヘンと笑いながらの「もちろん!」が最高にかっこいい。
あの「もちろん!」の着ボイスがあれば言い値で買う。それくらいかっこいい。
そして阿久津ジーニーが相手だと見せる掛け合いの軽快さ。北村アラジンは阿久津ジーニーが褒めてくれると必ず同じ言葉で阿久津ジーニーを褒め返してくれるところが好き。少し苦笑しながら、それでいて優しさに溢れているし、何よりかっこいい。

まあ、つまり何が言いたいかというとかっこいい。

 

③意外と不器用
意外とっていうか、意外でもないかもしれないが、まあ不器用である。
まず逃げ足で隠れてるときにちゃんとショールを被れていないことが多い。
頭に乗せているだけのときすらある。


かわいくない?


最近ではだいぶ上手になってきたが、ローブ捌きがぎこちない。
がんばって王子!!!
でもあのぎこちなさがかえって本当は王子じゃないというのを表していて好きだったりするんですよね。
ローブの裾よくふむところとか。
フィナーレでサルタンに挨拶するときにたっきージーニーはローブの形を整えてくれるのだが、北村アラジンはよく裾を踏んでいるため大体ジーニーはあきらめる。


かわいくない?(7行ぶり2回目)

 

④北村アラジンの一幕フィナーレはいいぞ。
ジーニーに「僕を信じて」と拳を差し出すときのあの眉をくいっとあげながら余裕ある微笑みを浮かべるところも控えめに言って最高なのだが、その後のPOYBでは一転して自分への未来への希望を泣き出しそうな笑顔で誓う、そのギャップがすごく好きでいつも泣けてしまう。

やっぱり北村アラジンは一幕フィナーレPOYBが一番好きだ。
オリジナルの爽やかに振る舞いながらも必死さでいっぱいいっぱいだったあの頃はまだ自分がどう変わればいいのかわからずに不安な気持ちが垣間見えていた青年は、力を貸してくれる友を得てようやく自分を変えるきっかけを手に入れた。北村アラジンの場合、そのきっかけは自信へ直結しているようには見えなくて、未来への希望と不安が半分半分といったように見える。希望ある未来も不穏な未来もどちらも予感させるような1幕フィナーレ。

 

⑤軽率さで人を苦しめたことをようやく学ぶ、ジーニーの「ああわかるさ」に対する安堵
節穴すぎることで定評のある私なので、ほかのアラジンがどうしているか記憶にないのだけど、とにかく現時点で北村アラジンはジーニーに君を手放せないと言った後のジーニーのこの台詞に対して一瞬安心するんですよ!!!
そしてその後の「君はみんなに嘘をついてきたんだものな、僕にだけ例外ってことないよね」でようやく悟る。自分がついた嘘で親友を含め、どれだけ多くの人を傷つけてきたのか。
北村アラジンは感覚的に生きていてるからこそ、そのときに口から出た言葉は全部本心で後から撤回したとしても許されてきたし、それでピンチに陥っても持ち前の機転で乗り越えてこれたし、ここまで追い詰められたことはなかったように思える。だから、ジーニーにも許してもらえると思ってしまったのかなとも思う。

直前のサムバディまでがすごくかっこいいから、かえってアラジンの弱い部分が顕著になるこのシーンは本当に泣けて、デビュー日も言ったけどこんなに泣いたのは北村アラジンが初めてだった。


⑥フィナーレにおける「絶望」→「希望」のカタルシス
プリアリリプライズ、ターバンを取られて床に手を付くシーン。


けしてジャスミンから目を逸らさないのだけど、ジャスミンに真剣に向き合おうとしているわけではなく、自分がしてしまったことの重大さを改めてつきつけられ、どうにもならなくなってただ首を横に振るしかない。自分の未熟で弱い部分を本当に理解して、だけど理解するには遅すぎたんだという絶望が北村アラジンはとても大きいように見える。もうこの世の終わりかもしれないって顔をしている。だからこそ、自分の未熟さに向き合ってある種の開き直りともいえる境地でジャファーを嵌めて一発逆転するのがすごく爽快で、ランプに吸い込まれていくジャファーを確認して勝利を確信した笑顔をみた瞬間のカタルシスが半端ないのだ。

 

 

あと好きなところ、200個くらいあるんですけど語り切れないので2回目に回します!!