Comment lui dire

アラビアンコースト

キャッツ東京公演の演出変更について。

2012年11月11日からおよそ6年の時を経て、ようやくキャッツが東京に戻ってきました。


広島→仙台→静岡→福岡→札幌→大阪と各公演地を経て、幾つかのマイナーチェンジとも言える演出変更はあったものの、今回の東京公演における変更はキャッツのコンセプトを一新するような大幅な演出変更でした。

まずオーケストラが新録になったので、今までの音源に慣れている人からすれば違和感を感じるのはもう仕方ない。重厚さがなくなってチープに感じる部分もあるかもしれない。でも慣れだと思う。
グレートランパスキャット追加、マンペルとバストファさんナンバーが少し長くなったことで他のナンバーが全体的に少しずつカットされて従前のキャッツに比べると忙しなさを感じる。たとえばメサイアで靴が落ちてきて猫たちが歌い出すまでの少しの間とか。ソングが終わってガスがマンカスと目を合わせゆっくり口を開くまでのあの余韻とか。そういったものが少しずつ短くなっているので、違和感を感じさせる原因にもなっている。


でも、どんなに演出変更があっても私はキャッツが好きだ。
キャッツシアターに入るとワクワクするし、猫の人生を垣間見ることができるあの場所が大好きだなあと改めて思った。



以下ナンバーごとの演出変更まとめプラス雑感。
ネタバレには配慮していません。





◎オーバーチュア
オバチュア前のコリコ、ランペ、ランパスの登場はカットされたまま。
目チカは特に変更なし。



◎ジェリクルソング
・ボンバルリーナのソロのオクターブが下がる
・ダンスも細かい変更あり
メサイア短縮化。雌猫の高音がジェリロだけになり、靴が落ちてくるタイミングも早い。ミストが手をあげて一呼吸入れる仕草もなくなりすぐに全員で歌い出す。
・ガスの「驚いた顔~」も歌い出す前の間がなくなる



◎ネーミング
途中まで全員舞台上でネーミング、半ばくらいから客席に降りる。
途中からとはいえわりとガッツリ時間はある。



◎ジェニエニドッツ
・マンカスのソロに途中から3ガールズがコーラスを被せるようになる
・ゴキタップ、曲も振付も大幅変更。完全に別のナンバー。
・ジェニエニのソロでマンカスとミストが懐中電灯でおばさんを照らすようになる
・ランペがゴキタップに参加する

ゴキタップの曲はジャズっぽいアレンジだけど、イメージとしてはハニーハントのズオウとヒイタチの曲みたいな…(わかりづらい)
1列に並ぶのも、おばさんに怒られて固まって行進するのも、マンカスとミストがスロープ下に落とされる演出もすべてなくなっていた。これはこれで好き。
懐中電灯で照らすのはかわいい。



◎ラム・タム・タガー
♪ラムタムタガーコイツは厄介、が激しい口調になる。

ラムタムタガーコイツは厄介ッッ!!!みたいな…
どれだけモテないんやお前ら…

それ以外は大幅な変更はないかな。個人的にはスキンブルとコリコの頭グルングルンが残っていて嬉しい。




◎グリザベラ

・イジメ、ダメ。ゼッタイ。
グリザベラへの猫たちの嫌がらせがあからさまになる。
特にマンペル、ランペがグリザの顔を覗き込んだり、マンゴがグリザの尻尾を掴んで引っ張り2匹でクスクス笑ったり
・ラストで曲がストップ。その後グリザが歩き出してまた曲が始まる。

マンペルは海外版もそんな感じだった記憶。
まあマンペルだから悪気はなさそうに見えるか、マンペルだからやってほしくなかったかどうかかは意見が分かれるかな。




◎バストファさんナンバー

なんか長くなってるーーーーーー!

途中大幅歌詞追加、バストファさんのソロ。
舞台上にいる猫はほぼ全員参加でバストファさんを盛り立てていたと思う。
そのせいかタイヤ上にぽつんと座っているマンカスの孤独感が増した(かわいそう)

浮かない顔~のあたりもちょこっとマイナーチェンジ、その後の旧ごちそうリレーからはほぼ前と一緒。
雄猫たちが一歩ずつ横にずれていく振付は横じゃなく前にずれるように変わっていた。


個人的にはバストファさんナンバーは長くしなくてもよかったかなあ。
他のシーンが割を食わないなら大歓迎だけど、実際に短縮されているわけだし。

◎マンペル
・登場シーン、マンゴがバナナの皮、ランペが空き缶を被って登場する(かわいい)
・曲調がメジャーバージョンに変更
・振付もほぼ変更
・ランペのマンゴバシッと叩くのがなくなって悲しい…
・曲の最後はマンゴがランペをおんぶする形で〆。

このバージョンも好き!
ただ振付は激しくなったけれど、泥棒っぽさが薄れたかな~。
日本人にとってのいわゆるスタンダードな泥棒って抜き足差し足忍び足でこっそり盗むに入るようなイメージなので、マイナーバージョンの曲調と振付は本当にピッタリだったけれど、コソコソ感は殆どなくなったよね。




◎グレートランパスキャット

あの伝説のマジキチナンバー、満を持して復活。

舞踏会の支度を!とか堂々と宣言しておきながらちょっとその前にこれ歌わせて?みたいな雰囲気のマンカス。よっぽど歌いたかったのだろう。そう考えると途端にマンカスがかわいく思えてきますよね(そうか?)

個人的な感想としてはランパスナンバーの曲は大好きなので復活はわりと嬉しい。
印象的なフレーズとして「Bark! Bark! Bark! Bark! Bark! Bark!」(Bark=犬などの鳴き声)という言葉を繰り返すのだけど、日本語版では「ワン!キャン!ワン!キャン!ワン!キャン!」になっている。かわいいなオイ。
ジェリロやボンバルみたいな大人な猫も参加してワンキャン言ってるの、かわいくない?

海外版だとマンペルの活躍が印象に残っているが、日本版はほぼすべての猫が登場して客席降りもある。
ソロはほぼ全てマンカスで、実質マンカスのソロナンバー。
あとタガーが時々バグパイプを演奏しながら出てきて邪魔してくる。美味しい。

ランパスはまあ…うん…
でもダンスは多い。
この扮装したあとにキリッとした顔でボンバルを誘うランパスの話するのはやめてください!!!


◎ジェリクルボール
・マキャ乱入で歌追加
マキャナンバーのアレンジなんだけど、オペラ座ハンニバルで皆がファントムに怯える曲ぽくない?
・ジェリクルキャッツ→ジェーリクルキャッツ
謎の変更
・♪朝のうちは大人しい♪夜のうちも大人しい
台詞→歌に変更。海外版と同じかな?
ここのメロディーすごくロイドウェバーっぽくて好き。
・ボール序盤、雌猫4匹と雄猫4匹のペアダンスがなくなる
コリコの数少ない見せ場が
・終盤のミストのピルエットがなくなる
ミスト、タガー、タンブルで一緒に踊る。ここめっちゃユダを先頭にして出てくるジーザスのスパスタカテコ。
・スキンブルがフィナーレで登場する
スキンブルがフィナーレで登場する(大事なことなので2回
前と同じタイミングで一度はけて、最後の最後にデュト様の隣に登場する。
美味しいところ持っていきやがって…!(?)
・細かい振付も変わっている
お尻フリフリがなくなったよ…


◎1幕メモリー
バブとジェリロのソロがなくなる。
バブがグリザに駆け寄ろうとするのをスキンブルが止めようとしてジェリロが近付くのを見て彼女に任せる。

スキンブル…美味しいやん…


◎幸福の姿
ほぼ変更ない…よね?


◎ガスナンバー

殆ど変更なし。
グロタイ終わってはけるときに最初ガス1人だけで歩いていって、最後の最後にジェリロが立ち上がって体を支えてあげるようになってたかな。


◎グロールタイガー
・クリューたちの寝転ぶ順番が変わってマンカスがグロタイに踏まれる役になった
マンカス身体張りすぎやろ…
・ソノクイでクリューたちが階段に一列に並ぶ
マンカス先頭。かわいい。
・船はゆらゆら波間に揺られ~でクリューたちが波のポーズつくってゆらゆらする
控えめに言ってかわいい
・サイアミーズの歌声が高くなった
なんか中国雑技団とかチャイナ服来た女の子がたくさん出てきて歌うときの声っぽい
(中国雑技団は観たことありません)


◎スキンブルシャンクス
スキンブルナンバーの一番の変更点はゴミ列車完成後の曲調が変わらなくなったこと。バラード調ではなくなった。
日本版の、スキンブルが思い出を大切に抱えたまま、暗闇の中から微かに見える夜明けという光に向かって手を伸ばす、ちょっぴりせつなくてだけど希望もある。そういう複雑な情感を私たちにまで伝わるように歌い上げてくれるあの瞬間が大好きだった。とても大切な瞬間だった。それがまさに「思い出」になってしまったことは、正直に言えば残念ではある。

キャッツはすごく難しいミュージカルだと思う。天上に昇る猫を選ぶというストーリーがあるだけで、個々のナンバーの繋がりは一見全くない。
でも私はストーリーなんて理解できなくてもいいと思っている。この作品が何を伝えたいかもどうだっていい。
歌とダンス、そして個性的な猫たちとキャラクターだけで充分に観客を魅了するだけの力がキャッツにはあると思う。
何故だかわからないけれど、また観たい。そんな不思議な魅力に突き動かされて私もキャッツにハマった。だけど何回も繰り返し観るうちに自分なりにストーリーを解釈しようとしていた。きっとこのナンバーにはこういった意図があって、哲学的な死生観が隠されていて、全てが最後グリザベラが天上に昇る瞬間に繋がっていて…

今回の大幅な演出変更で考えたのは、私はそもそもキャッツの何が好きだったのかということだった。そういえば最初はストーリーなんてどうでもよかったんだなと思い出した。深いことなんて考えないでただ感動していた。
作り手が伝えたいことを観客がどう受け止めるかは自由だと思う。だけど観客が変わらなくても舞台は日々変化していく。そして、必ずしもその変化が自分が思い描いた解釈と一致するわけではない。
そんなとき、少しだけ私はキャッツを初めて観たあの日に還ってみることにしようと思います。それで何かが変わるわけじゃないけれど、こだわりがなかったころの気持ちを思い出せたらきっと今の猫を受け入れられる気がするんだよね(ていうかもう慣れつつある)(早い)


その他
・雄猫ベッドのところの「ポッポー!」がかわいい。
タガーがあおむけになってポッポー!って言っているのもかわいい。
・スキンブルリフトがタイヤ上からではなく床から飛び乗って持ち上げる形になった。
マンゴから背中おさえてんだよね。縁の下の力持ちか。
・リプライズが短くなった。少し歌っただけですぐマキャ登場。
あんなに短縮するならいっそリプライズいらなくね???


◎マキャナンバー~マキャファイト
デュト様連れ去りでギルとコリコも舞台上に残る。
コリコはマキャに立ち向かって一撃を食らって退散。マキャを追いかけるマンカスの後を追うようにギルも上手スロープから客席へ。
マキャナンバーの方はほぼ同じだと思う。
マキャファイは大幅にアレンジが変わっていて、なんか心臓に悪そうな音になっていた。
私はカーバとマンゴのアイコンタクトが残っていたので特に異存はありません!


あと荒木マキャの腰を心配した


◎ミストフェリーズ
・ミストのソロがなくなる
・大阪で追加された派手なマジックが一部消える
あの看板…短い命だったな…
・フィナーレでタガーが「マジカル!」って叫ぶ
・ジェミマが缶を持っていたのがタガーに変わる
・デュト様奪還マジックに協力してもらう猫がボン→ヴィクになる


ミストのソロがない。これが全てだと思う。
ミストのソロダンスが終わったあとにタガーがミストを再度紹介するように歌う。
色々な大人の事情が透けて見えてしまうのだけれど、ミストのソロを歌えるダンサーは限られていてそれがきっとデビューの弊害になっていたのかな。
残念ではあるけれど難しい問題だ。


一見大人しい黒猫であるミストフェリーズが、自信に満ち溢れた顔でみんなに魔法を披露する。ダンスだけでそれを表現することができないわけじゃないけれど

♪みんな僕のことを魔法使いというけど変わったことはしてない自然に振る舞うだけさ

ミストが歌うこの歌詞が好きだったなあ。
でもタガーが歌うのも悪くないよ。あんなに嬉しそうに歌うタガー見てたら2人の信頼関係がすごく伝わってくるしね。タガーがシャイなミストの心の声を代弁してるのかも。



◎メモリー
変更あったっけ?
とりあえずミストが途中で振り向くようになったのは気が付いた。


◎ご挨拶~カーテンコール
・時間短縮が激しい
・マンペル(大阪から)、ディミボン、タンブルカッサ、ガスジェリロ、カーバジェミマ、デュト様バブがソロカテコからダブルカテコに。順番もかなり違う。
カーバとジェミマはなんで…せめてカーディミ、ランジェミでしょ…
・ラインダンス前の群舞が短くなる
・ラインダンスも短くなる(足上げ回数が減った)




こんなところでしょうか。
思いついたら追記するかも。