Comment lui dire

アラビアンコースト

宝塚に対して思うこと。

突然ですけど私、宝塚が苦手です。


宝塚を好きな人に喧嘩を売っているわけではなく、私の個人的な感覚で受け入れられないだけで決してdisではありません。


宝塚の「男」と「女」を対の存在として強調する世界観がどうしても好きになれない。



あ、苦手だなって気付いたのは宝塚版ロミジュリを観たときだった。
ヅカ版ロミジュリ、正直なところ衣装や演出は東宝版よりもオリジナルに忠実でいいんですよ。もう無理に舞台を現代にするなと。既読スルーとか寒いんだと。ティボルトをホストにするんじゃねえと。あと私、紅ゆずるさんのベンヴォーリオめっちゃ好きだった!



褒めてるじゃねえか!



いや普通に面白いんだよ。音月ロミオと美海ジュリエット最高だったよ。



何がダメかというとオリジナル版にはない『愛』の存在だった。
私はどうしてもあれが受け入れられなかった。
概念的な存在である『死』がロミオとジュリエットに待受ける未来を予感させる存在としてヴェローナの街に憑りつくロミオ&ジュリエットの物語が私は好きだった。
宝塚版には『死』だけでなく『愛』のダンサーが出てくる。ロミジュリは愛の物語でもある。確かにそうだ。でもね、『愛』は『死』と違って人の感情の中にあるものなのだから、登場するキャラクターが台詞や歌の中で演技として表現できるしそれ以上のことをする必要はないと思うんだよね。ロミオとジュリエットが愛し合ってるのなんて見てればわかるやん!!!
なのですごく違和感があったんだけど、日本版のロミジュリにおける『死』が男性的な象徴だから女性的な対の存在として『愛』を登場させたのかなあって思ったんですよね。


思えば宝塚って男役トップと娘役トップが必ず存在する以上はどの作品でも男と女が対する存在として出てくる。
なのでスリルミーみたいに舞台上に男役しか存在しなかったり、ウィキッドみたいに女性同士の友情を描いた舞台なんて絶対に上演はされないわけで。
それが悪いというわけではなく、男女の差をはっきりさせた関係が好意的に描かれる世界が今の世においても求められているんだろうなと思う。
ディズニーでさえジェンダーフリーを謳う時代にこういうことができるのってすごく貴重だと思うし、女性がハマる理由はなんとなくわかる気がする。



ただやっぱりロミジュリに『愛』はいらないと思うし、ロミオとジュリエットが天国らしき場所で踊る演出も私には物語の余韻を台無しにさせる要素でしかなかったし、何よりナルホドくんにポッと出の昔の女がいるのが許せませんでした!!!!(突然の逆転裁判
結論として、宝塚は物語自体の面白さより煌びやかで華やかなエンターテイメントとより男性性を強調した男役のかっこよさを楽しみに行く場所なのかなあと思いました。


一度生で舞台見たら変わるのだろうか。
(るろ剣でヅカデビューするはずだったのにインフルで行けなくなったタイミングの悪いおたく)