Comment lui dire

アラビアンコースト

2019年の北村アラジンについて、ひたすら語る(前編)

下書き供養。熱く書きすぎていたらいつの間にか抜けたし、ここ半年は私の2トップアラジンが交互登板しているので気が休まりません。


突然ですが『アラジン』という演目は人間ドラマとして素晴らしい出来だと思います。だけどどちらかというと良質なコメディ部分や派手な衣装、豪華な舞台装置といった一見目を引く部分の魅力が大きすぎて、脚本の良さが薄れてしまっているのがこの作品の一番の欠点なのかもしれない。
自分の人生が自分の意思ではない方向に束縛されていると窮屈に感じたり、自堕落な生き方をしてきたけれどこれからの自分を変えたいと思っている人はたくさんいると思う。この物語はアラジンとジーニーとジャスミンが自分の生き方を変えて、それぞれの自由を手に入れるお話だということに気付いてから私はこの作品に深くハマっていったような気がします。


アラジンという作品への私のアツすぎる想いを語ったところで、2019年の推しアラジンについてこれでもかというほど語る会(参加者:1名)を開催しちゃうよ。
前回開催された会「2018年の北村アラジンについて、ひたすら語る(前編)」
koutei-c.hatenablog.com


後編は果たしてあるのか???


ところで北村さんは登板中にいつも更に髪がクルクルになるんだけど途中でパーマ掛け直してるの?笑




アラビアンナイト~逃げ足前
登場時のアラジンは舞台前方まで出てきたあとに踵を返して後方の台に飛び乗るんだけれど、本人比で振り返るのが早くなった(細かい)。

パンを盗んで8枠商人に追われて転ぶシーンはズサーッというよりはズドーンという感じ(?)
あとたまに舌ペロッて出してるので反省する気がない。
カシームが1枠の財布を盗んでいるのを見てもそこまでやるせない表情は見せず、仕方ないけれど…って心の中では思っていそう。


◎逃げ足なら負けない
相変わらずショールを被るのがド下手な北村アラジン。そういうとこだぞ。
というか成功率上がったなって思ってたのに最近また下手になった。そういうとこだぞ!


「アラジン、朝っぱらから大変ね!」
絨毯でラズール隊長に一撃加えたあとは女性6枠に「バーイ」みたいなハートが付いているかのようなチャラい台詞を飛ばして去っていく。モテるわそれ。自分がモテるって知ってないとできないわそれ。


◎逃げ足リプライズ~自慢の息子

最近よくPOYBのオリジナル版を聴いている。この曲、原語だとアラジンが自分をどう思っているかが日本語版よりも全然伝わる。
訳詞ってどうしても一つの音節に収めなければいけない言葉の数が決まっているので、日本語のような情報を伝えるための効率が異常に低い言語に訳すのって本当に大変な作業だと思う(レリゴーなんて顕著な例だけど)。
POYBも日本語だと「嘘つきの調子者そう言われているけど」というフレーズが、英語だと「僕はろくでなしで怠け者で役に立たないって叱ってよ母さん…自分でもそう思っているから」となるくらい綿密な情報が組み込まれていて、他者からの評価しか描写されていない日本語版に比べて自己評価も同時に描写しているんだよね。
POYBの英語歌詞は本当に素晴らしいのでオススメです。



だから、海外ミュージカルを日本で上演する際は歌詞では表現しきれない細かい部分を俳優の演技で補うしかないのだ。もちろん海外の俳優さんたちもたくさん演技はしているけれど、日本のミュージカル俳優の繊細な演技に惹かれるのってそういう理由もあるのかなとふと思った。



ものすごく話が逸れたけど、この『POYB』の原語版はアラジンがどんなにダメ人間だったかという反省と、それでも愛する母親に認めてもらうために自分を変えたいという前向きな気持ちが伝わる歌詞なので、北村アラジンのキャラクターにめちゃめちゃピッタリハマる歌詞なのだ。
北村アラジンってダメな部分を全く隠さないじゃないですか!!!!そしてものすごくポジティブじゃないですか!


♪見ていて母さん
母さんへ語り掛ける歌詞のときに北村アラジンは必ず少し顔をあげて天国の母を想って語り掛けるような笑顔になる。本当に私はそこが好き。
母さんが驚くくらい喜ばせてみせるから待っててね、という日本語では表現しきれない感情をストレートに表現してくれてるよね。



♪バカにされても喧嘩はもう二度としない
拳を反対の手で包んで隠すようになった話はしたけれど、他のアラジンさんたちとは少し違うパターン。
パーにした手で反対の手を隠すのかと思いきや、パーにした手を拳にしつつ反対の手で包んで隠す。




◎1幕市場
・音楽なんてどう?
基本的な流れは5枠を誘って断られてから1枠を誘うパターン。
1枠が売っているタッセルに猫パンチして怒られていることが多い。子供か。
ちなみに先日は久しぶりに入った某1枠さんに「久しぶり!」って声掛けてた。


リアルか!


・カシームステップらへん
ラズール隊長に気付くと必ず7枠の肩を叩いて教えてあげて、気付かないカシームの方を見て「アチャー」って顔をするのは前と同じ。
ところでBOKがラズール隊長に怒られているときに3人の方に抜き足で歩き出すのが早すぎる。そういう軽率なところ、大好きです。




ジャスミンとの出会い
このシーンの演技、すごく良くなったね…!
ジャスミンに話しかけようかどうか、何を言おうかすごく迷っているのがわかるし、結局言葉が出てこなくて最後に照れ隠しのように笑って誤魔化すんだけど、本当に一目ぼれした相手を前にして緊張して何も言えなくなる人っぽさがよく出てて。
序盤にアグラバーの女性たち相手にチャラついていたアラジンとは対照的な本当の彼が持つピュアな部分が一瞬にして理解できる演技でとっても好きです。



・美女にお似合いの好青年

相変わらず身を乗り出して言うので、ここだけは前のフルーツワゴンに手を置いて言うバージョンに戻してほしいな~…
ハンドコさん10枠だとかなり強めに北村アラジンに絡んでくれて、バナナなどを無理矢理口に入れてこようとするんだけどガン無視してくる推しアラジン、痛い目を見た方がいいと思います(そのうち見ます)。





◎行こうよどこまでも

・「ここに住んでいるの?」
 「驚くよね!」

「驚くよね!」の言い方がコミカルになった。
驚くよね!笑笑笑 みたいな。この台詞、オリキャスアラジン様も同じような言い方になったのでそういう指示でも出てるのかなあ。自分の境遇を嘆いてそこから抜け出したいと思っているアラジンなのに、一目惚れした女性の前でそのことを笑いにして誤魔化してしまう気持ちを考えるとすごく切なくなる。
(とはいえ、島村アラジンは自虐的な性格なのでとてもこの言い方合っているんだけれど北村アラジンはもう少しシリアスに言ってくれた方がキャラに合ってるんじゃないかなとは思う…)



・「それ以外の人たちは苦しんでいる」
 「仕方ないよ」

この「仕方ないよ」の言い方がよい。
笑顔なのにすごく淡々としていてやっぱり北村アラジンは自分の境遇を本当に割り切っているんだと改めて思った。


♪全て捨てて(1回目)
掌は上に向けて両手広げてからくるっとひっくり返して捨てる。


♪全て捨てて(2回目)
1回目と同じポーズ。両手を広げた後にジャスミンを見て促すようにくるっとひっくり返して捨てる。ジャスミンが真似すると肯いて「そうそう!」みたいなジェスチャー


ジャスミンの手を取るシーン
前回登板までは手を取った瞬間に繋いだ手を見てハッとしていたけど見なくなって、だけど緊張が伝わるぎこちなさを出しながら踊るようになった。他のアラジンがやるみたいに最後ジャスミンをくるっと回したあとにちょっとかっこつけるようなポーズは一切やらない。あんなにチャラいのにガチガチに緊張しているのが伝わる、そういうピュアな部分が透けて見えてしまうのが北村アラジンの大好きな部分の一つでもある。



全て捨てては前の豪快な捨て方も大好きだった。
今の捨て方はジャスミンへの気遣いをとても感じるので、ぐっと大人っぽいアラジンになりました。




◎ダイヤの原石

・「君は賢い、素早い、機転が利く」
 (まあね、そこまで褒められると照れるけど)
 「なのにつまらん物を盗んで~」
 (なんでアンタにそんなこと言われなきゃいけないの?)
 「出世して母上の自慢の息子に~」
 (なんで僕が思っていることがわかるの!?)

という表情がコロコロ変わる最高にわかりやすいきたむアラジンくん。
色々とチョロい。


・「魔法の洞窟はどこ!?」から「無理!」まで
前回「無理!」が演出変更で追加されたことによって演技が変わったと書いたんだけど、今回更に変わってて、どちらかというと以前の演技に近くなった。
ダイヤの原石だと煽てられて「僕ならチョロいんじゃないか」みたいな雰囲気を醸し出しまくっていたダメダメなきたむアラジンくんが、「生きたまま飲み込まれてもやるんだ」とちょっと恐ろしい言葉を掛けられてると若干の恐れを見せるようになった。でも乗せられた以上後戻りはできないみたいな。基本的に北村アラジンはこの売り言葉に買い言葉で色々失敗していることが多そうなのでなんとなく納得できる。この性格は2幕でカシームと喧嘩するあたりでも凄く思うな。


◎魔法の洞窟~ジーニー登場

・ランプ取るまで
「金貨があればランプが何千個も~」の台詞のあえて少し棒読みっぽく言うところにジャファーへの猜疑心を仄かに感じる。ランプだけだ!と怒鳴られたときはちょっとムッとしている。エジプトの翡翠は掴んでから放すときにソッ…と手放す。めちゃめちゃ丁寧。たぶん触ったという事実をなかったことにしようと思っているやつだあれ。



・「シャツの代わりにベストを着るのがこだわりのアンタ!」


北村アラジン(こくん)


認めちゃうんかーい!笑





ジーニーラップ

ずっとニヤニヤしてる。


それ素で笑ってない?って思うくらい笑い堪えてる感が伝わる。
「いや、わかったと思う」は笑いを堪えながら言うのでジーニーが(コイツ信用してないな…)って感じるのも無理はないと思います。





◎フレンドライクミー
やっぱり他のアラジンに比べて驚いたときにジーニーに呼びかける率が圧倒的に高い。ジーニー聞いてないけど(かわいそう)

・高級車
前よりも運転ポーズのバリエーションが増えててめちゃくちゃ笑った。


それなのに全部ゴーカートっていう…



たまにゴーカートバックさせたりしてる。遊園地でやったら怒られるでしょそれ。



シシカバブ
振り向いて「美味しそ~!」!!!!!
「うまそ~!」じゃなくて「おいしそ~!」やで。言葉遣いが丁寧で好感が持てませんか?(そこ?)



・ダンスコンテスト

いや~~~~よく喋るよね!笑

個人的に最近の一番のヒットは「知らないもん、だって!」でした。
たっきージーニーの「踊ろう」に対して怪訝な顔しながらボソッと「踊れない…」て言うのもよかった。

あとジーニーにリフトされた直後の目を回す演技が死ぬほど上手いと私の中で評判の北村アラジンだけど、上手すぎて先日尻もち付きました。(舞台から落ちないようにしてね…!)
舞台から落ちた俳優を私はまだ観たことはないんだけど前にラジオで某タガーの中の人が「ソノクイの時にはしゃぎすぎて落ちた」って言ってました。平然と上がったそうである。ちなみに北村アラジンの中の人がリーダー猫だったときにソノクイで仰向けにコケたのは見たことあります。(怪我しないようにしてね…!)





◎洞窟脱出~1幕フィナーレ
ジーニーのばかっ!のあたり、前はよくやっていた魔法をかけられた足の分析をなぜか最近はあまりやらなくなった北村アラジン。
入念に靴の裏あたりを調べていたころはおそらく靴に魔法がかけられているに違いないと思っていたのだろうか。最近はわりと素直に興奮冷めやらぬ雰囲気で周りを見渡したり、洞窟に置かれている財宝に手を出しかけたりすることもある(触っちゃダメってさっき言われたやろ…)。



「この洞窟から一緒に抜け出すなんてのはやっぱり、無理なんだなあ……ハァ」
ハハッ、みたいな乾いた笑いがなくなった代わりに溜息の心底がっかりした感が半端なさすぎるという話はこの間したっけ?
ジーニーが「は?」と言いながら近づいてくる間はニヤニヤしている。基本的にすぐ顔に出ます。
あと阿久津ジーニーが腕組んできたりするからちゃんと腰に手を当てて組みやすいようにしてくれてるのかなあって思ってたけれど、たっきージーニーになってからは腕組みするようになったのでやっぱりあれは阿久津ジーニー仕様だったんだね笑。


あとやっぱり、「僕が叶えてあげる、自由にしてあげる!」という台詞の真っ直ぐさと「僕を信じて」のときにアニメから抜け出してきたような顔をするところはデビューの時からずっと変わってなくて大好きだな。




7週間、お疲れさまでした~!今年中にまた拝見できますように。