去年海宝アラジンを追い求めるあまりフレンズオブディズニーまで行った私だが、その結果なぜか「みんなで踊ろうモアナと伝説の海」に参加させられる羽目になり、POYBは聴けなかった。まさか国フォのホールAで松也の声をBGMにダンスさせられるとは誰が思っただろうか。
(ちなみに海宝氏が歌ったのはアウトゼアでした)
(MMSでもアウトゼアだった)
そして、海宝コンで満を持して聴いたPOYBがあまりにも男らしくて、久しぶりに観る海アルちゃんが馬鹿にされたら相手を腹パンするタイプになってたらどうしょ…と思っていたのだが、流石に腹パンはしませんでした(当たり前)。
最近キャスボの照明が変わったらしいけどまったく気づかなかったよ(ポンコツ)
最後に海宝アラジンを見たのはおそらく2016年の8月。あの頃はアラジンがまだ3人しかいなかったのに今では倍の6人に増えて人手不足ということもなく…なくならないな!?どういうことだ!?
◎パーフェクトビジュアル・海宝アラジンがアダルティすぎる件
久しぶりに観て思ったのだけど
ビジュアル、アラジンすぎる。
表情の作り方がすごくアニメっぽい。
眉の上げ方、笑い方ひとつとってもアニメから抜け出してきたようで単純に見惚れてしまう。
もちろんアニメのアラジンと舞台のアラジンは別物だとは思うけど、単純に「これぞアラジン!」という気持ちになれる。
そして元々大人なイメージがあった海宝アラジンだけど、更にアダルティな雰囲気が増していた。
記憶の中の海宝アラジンはもう少し情けなかった。ヘタレな部分もあって、でもそんなダメな部分も愛嬌があって魅力的なアラジンだった(ちなみに、ダメな部分は今でもあるのだけど後半に顕著になる)。もう今普通にカッコイイから困る。ぶっちゃけジャスミンに出会わなかったら3か月後くらいに革命とか起こしてそう(演目違い)
冗談はさておき、海宝アラジンのチャラさとスマートな雰囲気は自分の境遇に負けないように生きていくうちに作られていったもののように感じる。自分の生き方に負い目を感じることは勿論あったけれど、生きるためなら悪いことをしても仕方ないと割り切ることを心情にして楽しく暮らそうと努めてきた。大切な母親や友人のためにもそれが当然なのだと。(その点については厂ちゃんアラジンとも同じタイプだけど、厂ちゃんアラジンは遊び人的な雰囲気は全くないんだよね…)
アラジンってなんでもできるよなって周りから常に言われてそうだし、涼しい顔で盗みを働いて当然のように成功する。罪悪感なんてないよ、とサラッと言う。老若男女に優しく、笑顔も絶やさない。
そりゃモテるわ!!!!
そんなアグラバー1のモテ男、海宝アラジンは母の死をきっかけに自分の中にひた隠しにしてきた『負い目』と戦うことになる。
(アラジンという作品を重くしたがるオタクなので許してください)
◎アラジン的見どころ第5回~海宝アラジン~
今に始まったことではないが、超絶主観です。
①冷静さの中に見え隠れする後悔と葛藤が魅力の自己分析ソング、POYB
「おい、金持ちにも最低限の礼儀ってものがあるだろ」
語気を荒げない、静かで諭すような言い方が新鮮。基本的に頭に血がのぼることは少ない、スマートな海宝アラジン。
「残念でした、家族はおりません」も事実を述べるような口調だなと思う。強がったり、軽薄に振る舞ったりとかではない。
ただ、家族を笑いものにされたら一転して表情が変わる。沈黙から拳を握りしめ、王子を追いかけるかのように勢いよく立ち上がる。明確な怒りの意思が痛いほどに伝わってくる。
割り切って悪事に手を染めてきた彼が心の奥底ににしまい込んでいた負い目と、大好きな母親を冒涜されたことの怒りが一挙に押し寄せて爆発したかのように。大人アラジンたちは本当に母さんへの想いが強い。。。
コンサートのときはやたら雄々しかったPOYBだけど、本編で聴くと全然違っていて、冷静に自分がどうすべきか分析できる程頭が良いのに今までそうしてこなかった自分への憤りもあるように思える。
「父さんみたいに完璧じゃなくても」の含みもすごく気になる。今回2回見て、最初は伸ばしかけた手をふっと引っ込めてしまったし2回目は手を伸ばさずに伏し目がちになっていた。父への単純な尊敬ではない感情が潜んでいるように見えて、思わず隠されたアラジンの物語を考えたくなってしまう。
②自由への渇望が凄まじい『行こうよどこまでも』
♪どこか遠くなら自由になれるっ!
ギュッと拳を握りしめ、ジャスミン以上に自由を夢見るように歌う。
与えられた(と思い込むしかなかった)狭い場所の中で割り切った生き方をしてきた海宝アラジンだからこそ、実はそこから抜け出したいという感情が誰よりもあったのかもしれない。同じく逃げ出したがっているジャスミンに触れることで、一気にその想いが沸き上がったかのような。
そんな力強く率直な自由へのあこがれを口にする海宝アラジンなのだけど、ジャスミンへの対応はまさに王子のようで(でもチャラい)、一目惚れした彼女を前にしても慌てたり舞い上がったりはしない。手慣れたエスコートで彼女の手を取り優しく促す。
そりゃジャスミンも惚れるわ!!!
③海宝アラジンの一幕フィナーレはいいぞ。
推しアルちゃんのときも同じことを言ったんだけれど、チャラジンくんたちの魅力のひとつって、チャラいのに信じたくなる魅力がある真っ直ぐな台詞の言い方にもある。
それを一番感じるのが「僕が叶えてあげる、自由にしてあげる」という台詞だと思うんだよね。
肩の力を抜いて、まっさらな心から自然に出たような、嘘のない言葉。
そして「僕を信じて」で片眉をあげたドヤ気味の笑顔と、ジーニーの「本気?」という怪訝な顔に対して笑いを堪えるところな…
最ッ高…
(語彙の死亡を確認しました)
④アグラバー随一のチャラ男が王子になって初めて見せる弱さ
「見かけは変わらなくても」に反するように真っ先に見かけを偽って王子に変身したけれど、もちろん中身が変わるわけじゃない。
それどころか、海宝アラジンの場合は前半で殆ど見せなかった彼の中の情けない部分が露わになるようになる。
ジャスミンを怒らせてしまったあとの「何がいけなかったんだろう(泣)」という今にも泣きだしそうな情けない声とか、「鼻で笑われるだけさ…っ」という彼女に正体がばれることを恐れる震えた声からわかるように、前半では決して見せなかった海宝アラジンの弱さが浮き彫りになってしまう。
海宝アラジンはきっと彼女のパートナーになるのに相応しい地位さえあれば上手くいくと思っていたのかもしれない。それに誤解を解くことなんて頭の良い彼が考えれば難がないことのはずなのに無駄に空回ってしまったのは、それだけジャスミンへの愛が強くて彼女にどうしても気に入ってもらいたいという想いが強かったんだと思う。
それまであまり隙を見せてこなかった海宝アラジンの人間的な弱さが一気に溢れ出すとても大好きなシーン。
⑤「ジーニー!(弾んだ声で)」「よかったね!でも、寂しくなるよ」
この「ジーニー!」の言い方がめちゃめちゃに明るいんすよねえ~!!!!!!!!
約束を守ってジーニーを自由にした青年は、初めて嘘をつかずに生きていくという人生を踏み出した。その結果ジャスミンを失うことになっても、彼が手に入れた偽りの自分から解放されたという意味の自由は大きい価値があった。何よりジーニーが喜んでいる姿を見たら笑顔になった。何かを手に入れることは何かを失うことでもある、そんな覚悟もすんなりと受け入れられる海宝アラジンはやっぱり大人だ。
⑥顔がいい
顔 が い い