Comment lui dire

アラビアンコースト

ミュージカルのチケットが取りづらくなった話。

お前の根気が足りないだけとか言うなよ!



こんなことを書くとミュおたを敵に回しそうなんだけど個人的な意見として、日本のミュージカルは役者オタありきになりすぎてない?と思っていて。



というのも、最近ミュージカルのチケットが本当に取りづらくなったなと感じています。
5年くらい前まではレミゼもエリザもわりと楽々取れたんだけど、ここ3年くらいナビザ先行は一度も用意してもらっていません。仕方ないから各種プレイガイドとかも利用するんだけどなかなか取れない。ようやく1枚確保して安心したりする。



ところで私も推し俳優のFCに入っているんだけど、彼が出演する舞台をFC枠で申し込むとほぼ確実に用意してもらえる。でも推しが出てない舞台だって見に行きたいわけで、そういうときは本当に苦労する。チケットが取れない。席を選んでいられない。観たい舞台が観られない。努力が足りないと言われたらそれまでだし、当日券に並ぶような気合はない。でももっと気軽に見に行ける環境がほしい。



そこで思ったんだけど、役者オタを優先させるFC枠の存在ってミュージカル文化を浸透させるうえで大きな弊害になってない?ということなのだ。
たとえばレミゼプリンシパルだけで9人いるんだけれど仮に各公演俳優1人につき30席割り当てられているとしても270席だよね?50席なら450席だよね?アンサンブルも加えて+200くらい見積もるともしかしたら600~700席くらいはFC枠で取られるんじゃ…?実際割り当てがどれくらいあるかはわからないのであくまで推測なのだけど、帝劇1800席のうち1/3がFC枠で占められているとしたら、一般人は取りづらくなるわけである。
帝劇なんて箱が大きいからまだいいけど、箱が小さければ更に悲惨だ。まだ記憶に新しい昨年末のスリルミーなんて250くらいしか座席がないので戦争と言うほかなかった。出演者2人だからFC枠はまあそこまでじゃないかもしれないけどそれでも250席の中で50でも割り当てられてたらそれ以外の席を巡って血で血を争う戦いになる。「このミュージカルちょっと気になるな」程度の一般層がそこに付け入る隙は殆どない。




最近ミュージカル俳優がどんどん映像方面にも進出していて、音楽番組でミュージカル特集を組むことも増えた。ミュージカル文化を一般層に浸透させたいという業界の強い気持ちが伝わるし、ブロードウェイやウェストエンドのように観光客を始めとした普段はあまりミュージカルを観ない人たちにも受け入れてもらうことは、ミュージカル業界の発展のためにも喜ばしいことだと思う。
だけどどんなに新規を取り込もうとしてもチケットが取れなければ意味がない。私はこのチケットの取りにくさに日本人の気質も関係しているのではないか思うのだけど、凝り性になりやすい日本人(つまりオタク)は気に入った作品、好きな俳優が出ている作品を何度も観に行く。そのために俳優のファンクラブに入って持てる限りの気力とお金で何公演も抑える。
その結果、一般発売のころにはもうチケットは殆ど残っていないんですよね。新規客が入りづらい環境が慢性化しているなと感じるわけです。


自称ライト層()の私ですら取れないんだから、一般層まで浸透するはずないよねってお話でした。
FCって本当に有難い存在なんですよ。私だって大いに助かってる。でも、それでいいの?って時々思うし、やっぱり役者オタありきになりすぎてない?
最近は高額転売を取り締まる動きも活発化しているけど、チケットが取れないせいで普段ミュージカルを観ない一般層は軽率に高額転売に手をだしがちなんだよね。(実際この間職場の先輩が買おうとしてたので)もちろんテンバイヤーが悪いことに変わりはないけど、高額転売を利用してしまう状況を防ぐためにも、日本ミュージカル界のチケットの売り方を見直してほしいなあと思うわけである。


(そもそもチケット購入の手段が多すぎるのも問題では?FC先行、カード会社先行、プレイガイド先行…最速先行ってなんなの?統一してくれ)



私は海外ミュはウエストエンドでしか観たことがないけど、当日券も少し並べば手に入るし、わりと直前でもいい席取れたりするので不便に思うことはなかった。ミュージカルが観光産業の一つとして成り立っているため、日本ミュージカルとの根本的な差異を実感した。客層も全然違ってて、観光客や年配の夫婦が多かった。たぶん海外の形態に一番近いのが四季なんだろうね。一般層からしたらミュージカル=劇団四季であって、一番チケットが取りやすいイメージがつくのは仕方ないんだと思う。



っていうチケットが取れないおたくの独り言でした。以上。